環境の認識のために,人間の動作を基に生成された3Dポイントクラウドマップであるセマンティックマップを用い, 操作する物体の認識のために,マーカを用いたARToolKitを用いて,動作生成に必要な情報を得ます. これらに基づいて,ヒューマノイドロボット全身の逆運動学を計算することで動作を生成し,ロボットを制御します.
本研究を適用するロボットとして,本研究室で所有しているHRP-4を用いて実験しています.
人間の生活環境でのロボットの給仕動作に向けて,人間が用いる電気ポットとコップを使ってHRP-4にお湯を注ぐ動作を実装しました. 腕を使って物体を操作する動作において,双腕での協調制御を実装することで実時間性を高めています.
上記の給仕動作で得られた動作に,各関節の動かしやすさを等価に考えるヤコビアンを用いて動作生成を行った結果,腰を反る動作が生成されてしまいます. 通常のヤコビアンを逆運動学に適用する際に各関節の重みを考慮することで,自然で安定な双腕動作を生成しました.
また,実際の操作物体の位置変化に対応するために,HRP-4の頭部のUSBカメラを通じて,マーカの位置を計測しました. カメラ座標系で得られたマーカをロボット座標系に変換して,HRP-4の双腕をマーカの位置に制御しました.